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急性膵炎(すいえん)の診断と治療(病院)

   

参考資料

病院における急性膵炎の診断と治療

【急性膵炎とその原因】

急性膵炎(Acute pancreatitis)とは、膵臓に急性に炎症が生じた膵炎のことで、原因としては以下が大きくあげられます。

・アルコール
・胆石症
・その他(特発性、ERCP後、高TG血症、膵胆管合流異常症等)

【急性膵炎の症状】

以下症状が多く発現します。

・上腹部(特に心窩部)の激痛
・麻痺性イレウス
・悪心・嘔吐
・背部痛
・発熱
・カレン徴候(Cullen徴候)
 膵液によって組織が自己融解され、血性滲出液が臍周囲の皮下組織に沈着して暗赤色に染まる
・グレイ・ターナー徴候(Grey-Turner徴候)
 膵液によって組織が自己融解され、血性滲出液が左側腹部の周囲が暗赤色に染まる

【急性膵炎の検査所見】

・膵酵素の高値(診断の指標として用いられる)
 血中リパーゼ上昇(特異度・感度共に一番の指標となる)
 血中アミラーゼ上昇(48時間で最高に達し、以後下降する)
・WBC・CRP・LDH高値(重症度の指標として有用)
・カルシウム低値(重症度の指標として有用)

【画像検査】

・膵臓の腫大の評価と胆石等の要因精査のために造影CT検査・超音波検査等を実施します。

【診断】

以下の3つのうち2つ以上認められるものは診断される。

・上腹部痛(心窩部痛)
・血液検査において膵酵素(アミラーゼ・リパーゼ)高値
・造影CT検査・超音波検査等で膵臓の腫大像

【重症度】

重症度評価には主に以下のものがあります。
日本では特定疾患である「重症急性膵炎」への適応判断のために厚生労働省作成の重症度判定基準が一般的に用いられます。
発症より48時間以内で評価を行うこととされております。

・Ranson criteria
・Glasgow score
・APACHE
・厚生労働省急性膵炎重症度判定基準

「重症急性膵炎」と診断される場合、ショック・DIC・多臓器不全を呈し、致死率が極めて高くなり、予後も極めて不良です。

【治療】

基本的に以下の治療を行います。重症急性膵炎の場合は集中治療管理が必要。

・絶食・大量輸液投与・安静

・絶食・絶対安静とし、循環血漿量の維持のため輸液投与を行っていく。

・蛋白分解酵素阻害薬の投与
 メシル酸ガベキセート(FOY®)・ウリナスタチン(ミラクリッド®)・メシル酸ナファモスタット(フサン®)の投与を行う。

・抗菌薬の投与
 広域スペクトルの抗菌薬投与を行います。必要に応じて静注ではなく、動注を行うことも多い。

・持続的血液透析ろ過療法(CHDF)
 急性膵炎により惹起された炎症性物質(サイトカイン)が、全身の炎症を起こし、多臓器不全の原因になるため、血液透析により炎症性物質を除去することで、急性膵炎の重症化を防ぐ。

・鎮痛薬
 鎮痛薬としては抗コリン剤や鎮痛剤を投与(モルヒネはオッディ括約筋の緊張を高めるため禁忌)。

・ERCP
 胆石が原因の場合の膵炎に胆石除去を目的として行われます。ただしERCP施行そのものでも膵炎の悪化を助長するため慎重に判断されます。

【合併症】

予後を左右する合併症としては以下がある。

・仮性膵嚢胞
 感染が併発し膿瘍化すると敗血症になる場合も多くドレナージ治療が必要となってくる。

・壊死部感染
 膵臓が壊死が生じ感染すると敗血症になる場合も多く、壊死組織摘出術が必要となる。

・内分泌機能低下
 膵臓が壊死が生じることで、膵臓の内分泌機能を失い糖尿病等を生じてくる。

【予後】

軽症~中等症の場合、致死率は数%であるが、重症急性膵炎の場合の致死率は30%以上と報告されています。

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