7/18 このたびの「平成30年7月豪雨」で被災された方々に、心よりお見舞い申し上げます。

小柴胡湯(しょうさいことう)と胸脇苦満(きょうきょうくまん)

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小柴胡湯(しょうさいことう)と胸脇苦満(きょうきょうくまん)

今日の処方解説は小柴胡湯(しょうさいことう)。

オールシーズンの漢方ですが、それでも厳寒期、外邪のはびこる只今の季節には繁用処方です。

ちなみに、風邪の漢方で「柴葛解肌湯(さいかつげきとう)」が師走に入り、毎日のように出ていますが、実はこの処方の中には本日ご説明する「小柴胡湯」の要素も入っています。

●柴葛解肌湯(かぜ漢方のベスト・クオリティー)

風邪には、即効の柴葛解肌湯(さいかつげきとう)プロたん一押しの漢方処方。
柴葛解肌湯 (さいかつげきとう)は頭痛、体の痛みやほてり、全身倦怠、口渇、食欲不振、吐き気、寒気がして汗はない証や、インフルエンザで高熱が出て症状が激しいものにも応用できる処方なのです。

【小柴胡湯は、漢方市場において代表する方剤として君臨】

肝機能をはじめ、消化器系、さらに自律神経系と適応範囲が極めて広い漢方処方の王道と言われています。

あまりにも著名ゆえ、日々の漢方相談においても固定的ファンはそれなりに多いと思います。

【小柴胡湯(しょうさいことう)の処方解説】

【出典】 『傷寒論(しょうかんろん)』『金匱要略(きんきようりゃく)』

【概要】

●胃腸や肝臓、呼吸器の働きを改善し、また、体の免疫機能を調整し炎症を緩和します。

●体の疲れをとり、病気の回復を助けます。

●肝炎や胃炎、少しこじれたカゼなどに適応します。

●喘息やネフローゼなどアレルギーや免疫系がかかわる病気にも有効です。

●体質的には、体力が中等度、心窩(みぞおち)から肋骨下部が張り胸苦しさのある人に向く処方です。 (胸脇苦満)

【胸脇苦満(きょうきょうくまん)とは?】

●季肋部から脇腹が膨満し、圧迫感があって苦しい状態を胸脇苦満という。

●この部を按圧すると抵抗と圧痛を訴える。

●胸脇苦満は、呼吸器から上部消化器の炎症の体性反射によるものと
考えられている。

●治療は柴胡(さいこ)を主薬とする柴胡剤を用いる。

【構成生薬】7味

小柴胡湯は、主薬の「柴胡」をはじめ、7味の生薬からなります。

柴胡(さいこ)

セリ科(Umbelliferae)のミシマサイコ Bupleurum falcatum Linnéの根
サポニン、ステロール、脂肪酸など
主として心窩部より季肋部にかけて膨満感を訴え、抵抗・圧痛の認められる症状を治す。(薬徴)

黄芩(おうごん)

シソ科(Labiatae)のコガネバナ Scutellaria baicalensis Georgiの周皮を除いた根
フラボノイド、ステロール
主としてみぞおちの辺りのつかえを治す。また、心窩部より季肋部にかけて膨満感、嘔吐、下痢も治す。(薬徴)

半夏(はんげ)

サトイモ科(Araceae)のカラスビシャクPinellia ternata Breitenbachのコルク層を除いた塊茎
フェノール類、アルカロイド、アミノ酸、その他(精油成分、シュウ酸カルシウムなど)
主として水分の停滞、代謝障害、嘔吐を治す。また、胸痛、下から胸腹部につき上げるような痛みを治す。(薬徴)

生姜(しょうきょう)

ショウガ科(Zingiberaceae)のショウガ Zingiber officinale Roscoeの根茎で、ときに周皮を除いたもの
精油、辛味成分
主として吐き気がしてムカムカするものを治す。したがって、からえずき、おくび、しゃっくりも治す。 (薬徴続編)

人参(にんじん)

ウコギ科(Araliaceae)のオタネニンジンPanax ginseng C.A.Meyerの細根を除いた根又はこれを軽く湯通ししたもの
サポニン、精油、脂溶性成分、糖、ペプチドグリカン、その他(アミノ酸、ペプタイド、塩基性物質、ビタミンB群など)
はなはだしい全身の機能低下を回復し、さまざまな病邪を除く。激しい口渇、頻尿を止める。(一本堂薬選)

大棗(たいそう)

 

クロウメモドキ科(Rhamnaceae)のナツメZizyphus jujuba Miller var. inermis Rehderの果実
トリテルペノイド、サポニンなど
主として、強くひきつれるものを治す。また、咳嗽、身体の痛み、脇腹や腹の中の痛みを治す。(薬徴)

甘草(かんぞう)

マメ科(Leguminosae)のGlycyrrhiza uralensis Fischer又はGlycyrrhiza glabra Linné の根及びストロン、ときには周皮を除いたもの
サポニン、フラボノイドなど
主として急迫症状を治す。したがって、腹部の拘攣、疼痛などの急迫症状を治す。(薬徴)

【薬能・方意】

柴胡・黄芩・・・消炎解熱作用。
半夏・生姜・・・悪心・嘔吐を治す。
半夏・甘草・大棗・・・鎮咳作用。
人参・甘草・大棗・・・半夏の燥性による副作用を予防する。
半夏・生姜・人参・甘草・大棗・・・健胃作用。
柴胡・半夏・甘草・大棗・・・精神・神経作用。

【柴胡の薬能】【重要】

1.解表・退熱の作用

①外感病の表証(悪寒、発熱あるいは往来感熱)を解除する作用。
②解熱作用、抗炎症作用

2.疎肝解鬱(そかんげうつ)の作用

①精神的ストレスの除去、鎮静作用、鎮痛作用。
②情志・情動(ストレス)が視床下部や脳下垂体に作用して起きる
自律神経系・内分泌系の失調を治す作用。

3.昇陽挙陥、昇提作用。

①筋肉の緊張、収縮力を強くする作用。
②慢性下痢に使用することがある。
③脱肛・子宮脱に使用する。

【解説】

小柴胡湯は、主薬が柴胡・黄芩・半夏の組み合わせで、柴胡と黄芩で消炎解熱を、半夏は悪心・嘔吐・鎮咳の作用があり、胃カタル・気管支カタルなどカタル性炎症に対して有効です。

従って熱病で口苦・嘔吐・咳嗽のある時に用られる方剤と言えましょう。

人参は心窩部の痞え・痛みに、大棗は半夏の燥かす性質を抑えて身体を潤すための配合です。

生姜は半夏を助けて嘔吐を止め、健胃効果があります。

【適応病態】

1.熱性疾患への応用・・・熱病の少陽病期

小柴胡湯は熱病の少陽病という時期に用いられます。

その病態は

①熱型の特徴は往来感熱です。
②炎症が主にある部位は胸脇部で、肺・気管・肋膜・肝臓・膵臓など横隔膜を中心としたその上下の臓器の部分です。

さらに咽喉部・側頸部・耳部の炎症にも用いられます。

2.精神・神経薬としての応用。

小柴胡湯は『傷寒論』では主に消炎作用を用いるが、一般雑病には柴胡の疎肝解鬱作用を利用し、精神・神経薬として利用します。

小柴胡湯に桂枝湯を合方した柴胡桂枝湯や逍遙散および小柴胡湯合桂枝茯苓丸を月経前期症候群に用います。

従って、情動の中枢、視床下部の自律神経系に作用して自律神経―内分泌系の調節作用を有していると考えられます。

【効能・効果】

体力中等度で、ときに脇腹(腹)からみぞおちあたりにかけて苦しく、食欲不振や口の苦味があり,舌に白苔がつくものの次の諸症:
食欲不振,吐き気,胃炎,胃痛,胃腸虚弱,疲労感,かぜの後期の諸症状

【当店で取り扱っている小柴胡湯を由来とした製剤の紹介】

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本方は、柴胡剤の基本となる処方で、標準的に体力のある人で、胸のあたりがつかえている感じの人に応用されます。

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強治胸散(きょうちきょうさん 由来:小柴胡湯)は頭痛、感冒、気管支炎、中耳炎などに良い。
強治胸散(きょうちきょうさん 由来:小柴胡湯)は頭痛、感冒、気管支炎、中耳炎などに良い。強治胸散(きょうちきょうさん)は剤盛堂の「隋証シリーズ」の製剤であり、成分構成は「小柴胡湯(しょうさいことう)」に由来します。いわゆる少陽病。半表半裏に

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【一元錠剤漢方】小柴胡湯 (しょうさいことう)
小柴胡湯(ショウサイコトウ)とは体力が中くらいで、みぞおちから肋骨下部が張り胸苦しさのある人の吐き気、食欲不振、微熱などの症状がみられる場合の肺炎、胃炎、胃腸虚弱、疲労倦怠感、風邪の後期症状、気管支炎、熱性疾患などに用いられます。。 食欲がなくはきけがあったり、口が苦く、粘ったりするような時に用いられています。漢時代の傷寒論および金匱要略という古典書で紹介されている処方です。
プロフィール
この記事を書いた人
管理薬剤師 遠藤

プロドラッグ代表取締役/薬のプロたん・管理薬剤師/腑侶鍛漢方医学研究所・所長/昭和24年生/元病院薬剤師/神奈川県平塚市、横須賀市、横浜市、東京都目黒区等転居/東京都青梅市現住/趣味:古代史研究・神道研究・ネット散策・知らない町ウォーキング・写真・バイク・男の料理等/健康管理:西洋医学+東洋医学+漢方医学にて養生/悪性胸膜中皮腫(アスベスト被曝)を患い闘病中/座右の銘:日1日が余生

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