炙甘草湯(しゃかんぞうとう)は、体力をつけ、動悸や息切れをやわらげる漢方処方です。
【本日の処方解説シリーズ】
本日は炙甘草湯(しゃかんぞうとう)という方剤です。
動悸や息切れをやわらげる漢方薬です。
「救心」や「六神丸」、牛黄製剤と違い、緊急時ではなく、慢性疾患対応の漢方処方となります。
※全体的な漢方処方の動きから比較しますと、当処方は動きは極めて緩やかです。
※しかし、根強いユーザーは意外と多くいらっしゃいまして、無いと当方も困りますので、取り扱いリストからは外せません。
【炙甘草湯(しゃかんぞうとう)の概要】
■体力をつけ、動悸や息切れをやわらげます。
■顔色が悪く疲れやすい人で、皮膚の乾燥や口の渇き、
便秘(コロコロ便)などをともなうときに適します。
【炙甘草湯の構成生薬と主な働き】
炙甘草湯の構成生薬は下記の9味です。
■滋養作用のある「炙甘草」や「人参」
■動悸によいとされる「桂皮」や「阿膠」
■水分を保持する「麦門冬」や「麻子仁」
■貧血症状を改善する「地黄」これらが渾然一体となりよりよい効果を発揮します。
・炙甘草(シャカンゾウ)
・人参(ニンジン)
・桂皮(ケイヒ)
・阿膠(アキョウ)
・麦門冬(バクモンドウ)
・麻子仁(マシニン)
・地黄(ジオウ)
・大棗(タイソウ)
・生姜(ショウキョウ)
■方剤名でもある主薬の「炙甘草」は、火であぶった甘草のことをいいます。
火を通すことで、体力を補う作用が強まるとされます。
■適応証(体質)は、虚証(虚弱)、燥証(乾燥)となります。
【甘草成分のための注意事項】
■適さないケース→ アルドステロン症、ミオパシー(筋肉障害)、低カリウム血症。
■注意が必要なケース→ 胃弱(食欲不振、吐き気、嘔吐)、下痢や軟便のある人など。
※従って初めて服用される場合、気になる点などありましたら
ご注文前に必ず当方の薬剤師とご相談ください。
【炙甘草湯の特徴】
■炙甘草湯(しゃかんぞうとう)は、別名を復脈湯ともいいます。
■心悸亢進と脈の結滞とを目標にして用いるが、脈の結滞のない場合にも用いてよいとしています。
益気通陽・滋陰補血■炙甘草湯:は、補気生津の炙甘草が主薬で人参・大棗で補佐されています。
■滋陰の地黄・麦門冬・阿膠は陰血を滋補し、麻子仁とともに潤腸通便に働きます。
■辛温の桂枝・生姜は血脈を通じます。
■心陰陽両虚
脈の結代・動悸・息切れ・焦燥感・不眠・不安感・便が硬いあるいは便秘■肺気陰両虚
乾咳・無痰あるいは少痰・痰に血が混じる・るい痩・息切れ・自汗あるいは盗汗・喉の乾燥・便秘
【当店で取り扱っている炙甘草湯の製剤】
大手漢方メーカーでも取り扱いの少ない漢方処方です。
松浦漢方及び剤盛堂にラインアップされており、その存在は希少価値と思います。
■炙甘草湯エキス細粒(松浦)37番
※こちらは繁用で、多くの顧客様がいらっしゃいます。
※500g徳用ボトル入りと300包徳用の2アイテムを取り扱っていますが、
両方ともに人気があります。(最近は500g徳用ボトルが多いです。)
■シンキ粒 500gバラ (炙甘草湯):剤盛堂(隋証シリーズ)上級者向き
※こちらは濃厚のエキス散の製剤で、分包はなく、当店では年に1度ずつ、
2~3人のお客様がご希望されるに留まっています。
※従って、お取り寄せ商品となります。
※平日3日ほどお待ち頂ければ発送可能です。