今、話題の睡眠時無呼吸症候群(SAS)と漢方療法

   

今、話題の睡眠時無呼吸症候群(SAS)と漢方療法

こんにちは。
薬剤師のぷろたんです。
引き続き、症状別漢方のお話です。

福生市のY様、リクエストメールをありがとうございました。

近年特に話題になる睡眠時無呼吸症候群(SAS)の話をいたします。

※日常生活で、多発しやすい小さな落とし穴だけに重要な疾病と考えます。
なぜなら、当人は寝ているため知らないわけですから。

※まさか自分だけは・・・と、お思いになられる貴方も?

 
【睡眠時無呼吸症候群(SAS)は治るのか?】

今日は先に結論から入ります。。

実際に当相談外来のお客様にもSASにて何人か漢方療法を有されている方がいらっしゃいますので、よくお話することがあります。

『睡眠時無呼吸症候群(SAS)は養生次第で改善する病気です。一般的には病院で指示された治療機器の在宅療法と平行し、SASを誘起するリスクも根気良く漢方療法で取り除きましょう。』

 

【睡眠時無呼吸症候群(SAS)へのアプローチ】

睡眠時無呼吸症候群(SAS)で亡くなることはごくまれですが、放置すれば、将来の合併症が怖い疾病です。(まずは高血圧。次に虚血性心疾患や脳卒中が挙げられます。)

さっそくSASの判断目安から、

■7時間の睡眠中に10秒以上継続する換気停止が30回以上。もしくは
■5回以上/時 換気停止。
かつ、
それなりの臨床症状を呈する場合。(高度ないびき、頻回の中途覚醒、起床時の頭痛、口渇、倦怠感、日中も嗜眠傾向、など)

・・と一般的に言われているようで、なかなかわかりにくいですね。
もっとも当人は眠っている間の出来事ですから、ピンとこないでしょう。当然です。

現実的には例えば換気停止(無呼吸)がさほどみられずとも、同類の臨床症状を呈する呼吸障害が事例が多くある模様です。

例えば、単独の「高度のいびき」や「歯ぎしり」なども包括的に睡眠時呼吸障害の一群に入れられるようです。

一時、私も「歯ぎしり」が続き、主治医から「立派な予備軍」と警告を受けました。
慌てて漢方処方の「抑肝散加陳皮半夏」をしばらく服用し、落ち着いた経験が過去あります。

 
【睡眠時無呼吸症候群(SAS)のメカニズム】
入眠時には人間必ず多少なりとも気道は狭窄するため(特に東洋人の骨格)仰臥時には舌根や軟口蓋が沈下して気道が狭くなります。横向きに寝ますか?でも肩がこる。(笑)

このため、健康人でもごく自然な現象ではあるが普通は寝入りに軽いいびきを生ずるのに不思議はありません。

しかし、睡眠時無呼吸症候群のうち、閉塞型のケースでは、咽頭部による閉塞が起こります。
(但し、別枠の中枢型の睡眠時無呼吸症候群は特殊なのでここでは省きます)

つまり気道が過度に狭窄すると、吸気道の陰圧で特に閉塞が起きやすいとされます。

過度に狭窄する原因としては、まず筆頭が「肥満(標準体重の20%以上~)」。

次に「加齢(40代~)」そして「扁桃肥大や鼻閉(鼻茸など)」、さらに「飲酒」などが主な要因とされているようです。

加齢はともかく、他のリスクファクターを改善すれば、悪化時の外科的処置(オペ等)をせずに済むわけです。しかし口で言うのは簡単ですが、なかなか難しい。汗。

アルコール好きの方には、いきなり断酒とは言いませんが、まずは日々の晩酌を中止して頂きます。

もし併せて肥満体であれば同時にダイエットは当然ですね。

鼻の疾病や慢性的な扁桃腺炎も治療の対象となります。(特にこの件についての漢方療法は後述いたします。)

 

【睡眠時無呼吸症候群(SAS)の発覚と病院治療】
睡眠時無呼吸症候群(SAS)の特徴として、特に独身者、又は一人住まい(単身赴任とか)の場合は、発見が遅くなり進行しているケースが多いようです。

例えお隣で寝ているご家族がいたとしても、全然気付かれない?ケースもあるようで。。世の中さまざまですね。。

おかしい?と思ったら・・まずは専門病院で検査入院と相成ります。

ポリグラフィーであちらこちらをペタペタ貼って一泊すれば、精神的に「もう御免」とたいていはダイエットされたり、アルコールは控えるのが人情というものです。

自分のためと、前向きに取り組みましょう。

そして、予想通り・・・正式に睡眠時無呼吸症候群(SAS)を受けたら、SASの治療器を導入します。もちろん在宅での治療です。機器はレンタル又は購入で、おすすめはレンタルですね。(買うと医療機器ですので高額です。)

機器は近年進化しておりますが、当初は違和感で少々面倒かも知れません。
神経質な方は慣れるまで少し辛抱です。(痛くはありません)

シーパップ」装置を装着して寝る療法が一般的です。一定陽圧で空気を送り続ける固定CPAPと気道の閉じ具合にあわせて圧力を変化させるオートCPAPがあり、とても有効な治療方法と言われています。

機種選定や方針は主治医が決定しますので、その指示に従ってください。
併せて、医師から生活の改善提案につき重要なご説明があるはずです。

これでかなり改善はされるのですが、オペがどうしても必要なケースでは医師の判断により、口腔内つまり口蓋扁桃摘出術とか・・・外科的療法に入ります。

(ここから先へのオペ等の記述は省きます)

さて、いよいよ漢方療法です。

同時並行して、自身でできるリスクファクターの改善を積極的に取り組みましょう。

【漢方療法】

《肥満対策》やせている方はもちろん必要ありません。

・肥満体と診断を受けたら、なんとしても無理のないダイエットを心がけましょう。SASへの効果はあがります。

防已黄耆湯 肥満し関節痛もある場合
関節炎、関節リウマチ、肥満症
http://www.protan2.com/archives/5339

防風通聖散 肥満し便通もよくない場合
肥満症で比較的体力のあるものに用いる。高血圧症、脳溢血の予防、動脈硬化症、糖尿病、胃酸過多症、常習便秘、関節炎、肥満症
http://www.protan2.com/archives/5343

扁鵲(へんせき)※有名な製剤ですね。
脂肪過多症に
http://www.protan2.com/18henseki/

《蓄膿、扁桃腺炎、鼻閉への対策》特にいびきの高度な方。
※これらの疾病またはその傾向の無い方にはもちろん不要です。

特に高度ないびきをかかれるケースの場合、鼻腔内充血症状が顕著であり、蓄膿の傾向があります。

漢方薬でかなり効果を得られることがあります。
下記処方は慢性的な扁桃腺炎にも効果的です。

荊芥連翹湯(けいがいれんぎょうとう)
体力中等度以上で,皮膚の色が浅黒く,ときに手足の裏に脂汗をかきやすく腹壁が緊張しているものの次の諸症:蓄膿症(副鼻腔炎),慢性鼻炎,慢性扁桃炎,にきび
http://www.protan2.com/archives/5608

《アルコール対策》

■こちらは当人様の意思次第。もっともご家族らのご協力も仰ぐものです。

■過度な飲酒を継続している限りは、当疾病は絶対に治癒しないものとお考え下さい。
(これは100%医師から指摘を受けます)

 
★★★★★

【ぷろたん独自の考察】

さて、お痩せになっていて、蓄膿、扁桃腺炎、鼻閉などの疾病は有せず、さらにアルコールも一切やらない主義の方は?

どの医学書にも、ネットサイトにもあまり記載されていないことを書かさせてください。

気・血・水のバランスが崩れてしまっている状態。私見ですが不眠だけではなく、特に気うつの傾向が長期継続されている方にSASが多発しているように思います。

仕事がうまくいかない、私生活でなんらかのトラブルを抱えているなどストレスが過重となり、就寝時には浅眠・多夢、日中は嗜眠傾向を繰り返し、さらに運動不足も加わると睡眠障害が長じて無呼吸症を頻発・再発しているように外来の経験から感じております。

従来から日本人の顎の骨は比較的小さく、気道閉塞を誘起しやすい骨格と言われていますが、ただそれだけではなく、心身バランスの崩れからも要因することがあると私は考えます。

従ってそれを軌道修正することにより、驚くほど改善した症例が過去当店であります。

前の症例で、やせ型、口腔・鼻腔内の疾患も無く、アルコール等は一切飲まない。
病院で睡眠時無呼吸症候群(SAS)の診断を下され、長期に渡り治療するも一向に改善できないとするお客様がいらっしゃいます。

すでに「夜寝るのが怖い」とする脅迫観念も有しており、以下の漢方療法を実施いたしました。この件についてはまた機会をつくりあらためてお話いたします。

 

 
【漢方療法:ぷろたん独自の追補】睡眠時無呼吸症候群(SAS)についての一考察

神経の高ぶりを和らげ、夜間入眠しやすくする漢方薬をおすすめしています。
もちろん、上記疾病を有し、他の漢方療法を実施されている方にも補足的におすすめです。

特に温胆湯又は帰脾湯での改善例が多いと思います。

温胆湯 特にいらいらや不安で寝付かれないケースに。(この処方は人気あります)
胃腸衰弱者の不眠・神経症
https://www.protan2.com/cart/goodslist.cgi?in_kate=200-30-10

 

帰脾湯 眠りが浅く、夢をよく見て、夜間によく目が覚める。昼間眠くて困る方。
体力中等度以下で,心身が疲れ,血色が悪いものの次の諸症:不眠症,神経症,精神不安,貧血
https://www.protan2.com/cart/goodslist.cgi?in_kate=200-30-43

 

抑肝散加陳皮半夏 神経が高揚し、特に歯ぎしりなどは有効。過敏体質の方に。
体力中等度をめやすとして,やや消化器が弱く,神経がたかぶり,怒りやすい,
イライラなどがあるものの次の諸症:神経症,不眠症,小児夜なき,小児疳症(神経過敏),
歯ぎしり,更年期障害,血の道症
https://www.protan2.com/cart/goodslist.cgi?in_kate=200-30-155

 
【まとめ】くどいようですが・・・。

睡眠時無呼吸症候群(SAS)は養生次第で改善する病気です。

一般的には病院で指示された治療機器の在宅療法と平行し、SASを誘起するリスクも根気良く漢方療法で取り除きましょう。

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