【五淋散 処方の解説】これからの時期に多い。

   

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薬剤師プロたん

【五淋散 処方の解説】これからの時期に多い。

さて、本日は元のペースに戻り、久々に処方解説に入ります。
そろそろ皆さん、下着の方も薄着に衣替えされると思いますが、ご注意ください。

ここのところ天候は全般的によろしいのですが、油断はできません。雨降りになりますとてきめんに冷えます。

例年、冷えから長じたと思われる尿路障害や膀胱炎のご相談が多いのも5月末~6月末。

そして梅雨時期にも例年は極めて多いと思います。

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極端な薄着には充分にご留意されてください。

冷えて、血行不良をきたし、粘膜抵抗も低下すれば尿路、膀胱といろいろとトラブルが発生する確率も高まります。

併せて、従来から痔疾をお持ちの方にも言えることで、毎年この時期に再発される方も多いのです。

膀胱炎と痔の併発では、とても仕事には集中できません。

※もちろん男女共通事項です。

※なお、痔には五淋散は効果ありません。別の処方となります。


【五淋散 処方の解説】どのような症状の時に有効か。

尿トラブルの第一選択薬と言われている五淋散。

排尿痛、残尿感、頻尿などで小便の色が濃く(黄赤色)、1回量が平常より少ない方に用います。

【五淋散(ごりんさん)という処方名の由来】

五淋散の名前の由来は五種類の淋病(五淋・・ごりん)を治すところからきています。

淋病とは頻尿・排尿痛・排尿の切迫した状態などを示す言葉で、いわゆる西洋医学でいう性感染症の淋病とは全く異なります。

五淋とは、

・石淋(尿路結石)
・気淋(前立腺肥大、神経性頻尿)
・膏淋(尿がクリーム、米のとぎ汁状になるもの)
・労淋(過労からくる排尿異常)
・熱淋(急性の尿路感染症)

のことであり、五淋散は様々な尿のトラブルに対処することができる優れた処方と言えます。

【五淋散の効力】

■消炎作用、利尿作用、止血作用などを併せ持ち、細菌感染によって炎症が起こっているような場合にも適応します。

■細菌が膀胱・尿路に残存しているようなもの(利尿作用により細菌を排泄)にも効果が期待できます。

■膀胱炎などで病院の抗菌剤により細菌を駆逐できたものの、症状がなお残ってしまうようなケースにも良いとします。

【五淋散の処方構成】11味

山梔子・黄芩・・・消炎・解熱・鎮静作用

黄芩・・・利尿作用

芍薬・甘草・当帰・・・鎮痙・鎮痛効果(排尿痛を緩解)

地黄・・・清熱涼血・止血

芍薬・当帰・地黄・・・補血

滑石・沢瀉・茯苓・木通・車前子・・・消炎作用・利尿作用

以上をまとめると、次の形になる。

【清熱解毒】山梔子・黄芩
【補血涼血】芍薬・甘草・当帰・地黄
【清熱利水】滑石・沢瀉・茯苓・木通・車前子

【鑑別と用い方】

五淋散(ごりんさん)
膀胱炎、尿道炎のファーストチョイス。無菌性で神経性のものにも

猪苓湯(ちょれいとう)
急性の膀胱炎。尿路結石、前立腺肥大症、腎炎の血尿タイプにも。

五苓散(ごれいさん)
腎炎、ネフローゼの浮腫。タンパク尿など炎症時には小柴胡湯と併用。

八味地黄丸(八味丸)
前立腺肥大症、糖尿病、老化による夜間の頻尿、精力減退にも。

【五淋散の取り扱い製剤について】

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※もちろん今は必要がなくとも、泌尿器系の漢方製剤はとても頼りになりますので、覚えておくと良いでしょう。

※当店での「五淋散」処方の製剤は以下の通りです。
ご参考にしてください。

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